のどの痛み、声のかすれなどの症状があります。呼吸に関する部位なので、ひどい場合は息苦しくなったりすることがあります。通常は1週間から2週間の内服で改善します。
喉頭蓋およびその周辺が腫れる病気です。のどの痛みが続き、含み声になったりします。症状のわりにはのどはあまり赤くありません。
症状が悪化すると呼吸が苦しくなって窒息することがある非常に危険な病気です。原則として入院加療が望ましく、治療としては抗生物質、ステロイドの点滴をします。窒息の恐れがある場合は、首に穴を開ける(気管切開)手術が必要です。
扁桃に発赤、膿がつき、のどが痛くなります。高熱が出ることが多いです。まず内服で対処しますが重症な場合は抗生物質の点滴をします。
慢性化して年に3、4回繰り返すようであれば手術をお勧めします。基本的な手術の適応は上記以外に無呼吸がある、扁桃が大きくて食事をあまり摂らないなどです。他に腎臓の病気や皮膚の病気に対して扁桃の手術をすることによって症状が改善することがあります。
急性扁桃炎がひどくなった場合、扁桃周囲に膿が溜まります。ひどい場合は首、胸のあたりまで膿が降りてきます。この場合も重症な場合は、首が腫れたり、赤くなり呼吸が苦しくなることがあります。緊急手術が必要な場合があり命に関わります。
ウイルスによって起こる扁桃炎です。接触感染で起こり扁桃に白苔がつきます。治療は対症療法ですがひどい場合は点滴をしたりします。若い人に多く肝機能の悪化も見られます。
のどの違和感を訴える人は多いですが、実際に問題(できもの、炎症など)を認めることは少ないです。症状が長い、または違和感のある日とそうでない日があるといった場合はこの病気を疑います。
長い間、のどの違和感、胸焼け、げっぷ、などの症状がある場合はこの病気を疑います。
舌に潰瘍状のものや、できものを認めます。痛みがありなかなか治らない場合は癌の可能性があります。できものは徐々に大きくなってきます。
口の中は痛く症状もわかりやすいので早めに受診してください。
進行してからでは大きな手術が必要になったり、手遅れになることがあります。
たばこを吸う人に多く、症状は声がかすれたり、息苦しかったりします。声帯にできものがある場合は声がかすれますが、それ以外の場合、症状がないことが多いです。息苦しい症状が出た時はかなり進行していることがあります。喉頭ファイバーなどの内視鏡で観察が必要です。気になる方は早めに受診してください。部位によっては放射線治療のみで治る場合もありますが、病状が進行した場合は喉頭全摘(声を出す部分を全部取ってしまう)が必要になります。
咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれます。
上咽頭癌は鼻の突き当たりにありできものがある状態で、中耳炎を繰り返したりします。治療は放射線照射、抗癌剤点滴が中心です。
中咽頭癌は扁桃腺や口蓋垂の周囲などにできる腫瘍で食事が摂りにくくなったりします。
下咽頭癌は症状が出にくいことが多いですが、のどが詰まった感じなどの症状が出ることがあります。中咽頭、下咽頭の癌の治療は、初期は放射線照射、抗癌剤点滴になりますが症状なく発見が遅れやすく、進行した状態で見つかり放射線、抗癌剤治療に加えて大がかりな手術が必要になることが多いです。
症状は声帯が動かなくなり、声がかすれます。原因不明の場合が多いですが癌などの圧迫などによって起こることもあるので精密検査が必要になります。
症状は声がかすれます。たばこを吸う人、声をよく使う人に多いです。声の安静など様子を見て消失する人もいますが、消えない場合は手術が必要になります。他に声帯全体がポリープ状になっているポリープ様声帯というのがあります。ひどい時は呼吸が苦しくなることもあります。この場合、手術で声はあまり改善しません。
咽頭にある扁桃組織で子供の場合はみんなある程度は腫れています。アデノイドは思春期になると自然に消えていきますが、滲出性中耳炎など耳に悪さをしたり、のどの通り道が塞がるので無呼吸があるときなどは手術が必要になります。
内服している薬で症状が出てきたり、体の中の亜鉛、鉄、銅などが不足して起こることがあります。気になる方は血液検査で調べます。
耳の下の唾液を出す所の炎症です。症状は耳の下の腫れ、痛みなどがあります。抗生物質などで改善していきますが、おたふくかぜとわかりにくい場合もあります。おたふくかぜはウイルス性で対症療法しかないので薬としては変わりませんが水分を十分摂ることが必要です。人に移ったりするので腫れが引くまで自宅待機が必要になります。
顎下腺(顎の下の唾液を出す所)や唾液を出す通り道に石ができる病気です。症状はかなりの痛み、顎の下の腫れを認めます。食事をして腫れるようならこの病気を疑います。
症状は耳の下の腫れ、痛みがあり、子供に多く文字通り繰り返すことが多い病気です。ウイルス説が有力ですが、化膿性耳下腺炎も考えて抗生物質、消炎鎮痛剤などの内服で様子を見ていきます。
顎の下の炎症です。頻度は少ないですが痛みがある場合はこの病気を考えます。
抗生物質、消炎鎮痛剤などの内服で様子を見ます。
唾液を出す耳の下、顎の下にできるできものです。それぞれの部位の腫れのみで痛みは伴わないことが多いです。できものの種類によっては手術が必要です。神経の多い部位なので{顔面神経(顔が曲がって動かなくなる)、舌神経(舌のしびれ、味覚障害)、舌下神経(舌が動きにくくなる)}などの症状が出ることがあり、医師の説明を十分受けた上で手術されるのが良いと思います。
首の前方が腫れた場合はこれを疑います。腫れ以外の症状はなく、細胞の検査で悪性か良性か判断します。甲状腺は悪性であっても進行が遅く予後も良いものが多いです。まれに悪性度の強いものもあるので注意が必要です。良性の場合は大きくなければ手術の必要はありません。
顎の下の真ん中にできものがあり痛みは感染を起こさない限りありません。胎生期に甲状腺ができる時、のどと甲状腺をつないでいた管の一部が退化せずに残り、袋を形成したものです。大人になってから気づくことも多いです。基本的には良性で大きいものは手術をします。子供でも感染を繰り返したりすると手術を勧めます。手術では一部骨も取らないと再発することがあります。
首にしこりができるもので炎症の場合は症状が起こってからの期間が短く、痛みを伴うことが多いです。抗生物質内服で改善することがほとんどですが腫れが引くのに1、2ヶ月かかることもあります。ずっと残る場合は悪性リンパ腫やできものの可能性もあるのでその部位を取って調べることも必要になります。
痛みを伴わない首のリンパ節は悪性腫瘍などの転移の可能性があります。全身検査など総合病院での精密検査が必要になります。